kabocha diary

備忘録、日記代わり。如月千早がお気に入り。

二次元アイドルはプロデューサーの夢を見るか?

 

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GREEの「アイドルマスターミリオンライブ!」が5年の日々に幕を下ろした。どっぷりはまった人もそうでない人も感慨深いものがあったと思う。私も少し寂しい気持ちになりました。画像を見ながらふとプロデュースってなんだろう、アイドルマスターってなんだろう、そして二次元アイドルってなんだろうと改めて考えました。ここではアイドルマスター、二次元アイドルについて今までモヤっと思っていたこと、考えていたことを突然ですが自分なりに文字に起こしました。良かったら読んでください。そうそう、虹色letters聴きました?多くの言葉は要りませんね、最高でした。ミリオンライブ!の宮尾美也というキャラクターを気にかけている私としては、穏やかながらエキサイティングな曲とドラマでした。次は冒頭部分になりますが、面倒なら飛ばしていいです。

 

本題に入る前に日本という国の話をしようと思います。(いきなり主語が大きい)個人よりも集団としての行動が求められることがしばしばあります。暗黙の了解のようなものがあるのは言うまでもないでしょう。自分であって自分でないよう感覚はメタ視点、二次元アイドルと相性が良いと思います。QRコード、MIDI規格、顔文字、擬人化、ゆるキャラ、これらは日本で生まれたものです。フランス人の思想家であり著者でもあるロラン・バルトが日本に訪れた際に体験した独自の慣習、物事の捉え方について触れた本があります。タイトルは「表徴の帝国」新訳は「記号の国」といいます。1970年、約半世紀前に書かれた本だけど「記号の国」っていう表現がしっくりきて響きも好きです。ここから二次元アイドルについてとそれにまつわる事柄をいくつかの項目に分けて話していきたいと思います。

 

アイドルマスターとは>

作品に出てくるアイドルが口にするアイドルマスター。マスターっていうくらいだから頂点、最後に辿り着く所なのだろう。じゃあ、どうなったらなれるのだろうか、選挙で一番になったら?なにかの大会で一回一番になったら?何か違うような気がする。そう、アイドルマスターという作品はアイドルをプロデュースしてトップアイドルを目指す育成シュミレーションゲーム。「過程」がとても大切。デレステではPランクSSかつPRP1000以上のPかつ「月間獲得ファン数ランキング1000位」に入ることでSSSアイドルマスターの称号を得ることが出来る。より多くの人にアイドルの魅力を知ってもらい、ファンになってもらうことがアイドルマスターへの道なんじゃないかと思います。デレステのはじめてプロダクションに来た子のファン数が1人(プロデューサー)っていうのもいいですね。モバゲーのシンデレラガールズも配信から6年、凄いです。

 

<アイドルに興味を持ったきっかけ>

なんて書きだすとなんだかむず痒いですね。デレステの第一回目のイベント、2015年9月25日から10月5日まで開催された「アタシポンコツアンドロイド」がきっかけらしいきっかけです。第一回という事でランキングのボーダーが凄まじい。ボーダーがすごいこと以上にすごいのは「アタシポンコツアンドロイド」の歌詞。当時のことを思い返すと、アニメシンデレラガールズ(全26話)の時計の針についてや物語の考察で盛り上がっていました。私も考えていました。リアルタイムで観ていたので完結して全体を見渡せる状態ではなく、ああでもない、こうでもないと考え、他の人の考えを見ながらそれなりに楽しんでいました。

 

そんな中配信されたデレステ、期待していた。「アタシポンコツアンドロイド」期待以上だった。元ネタは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」1969年フィリップ・K・ディック著作。SF小説でオススメです。本当はここでこの歌詞が作品と繋がって云々、自分なりの考え、感想を吐き出したい。正直長くて面倒くさいし今回はメインではない。でもそれ以上に元となる本を読んで、感じて、考えた「過程」が面白くて楽しかったので、他の人にも過程を楽しんでほしい。傲慢な考えだけど。

 

少しだけ言うなら、人間対アンドロイドという対になる関係で終わらないということ。アンドロイドらしい人間、人間らしいアンドロイドの存在。ある瞬間を切り取り、第三者が見れば、お互いどちらにも成り得るということ。じゃあ何が人間とアンドロイドを明確に分けてくれるのか。触りはこんな感じです。アンドロイドと二次元アイドルの親和性が高くてそれを歌われたらグッときちゃいましたね。あんな歌詞で「じゃんじゃん」で終わりなわけないでしょ。意味深ですね~。「アタシポンコツアンドロイド」を作詞作曲編曲したササキトモコさんの他の曲、「秘密のトワレ」ではブログで曲について触れているので気になったら要チェックですね。「きゅんっ!ヴァンパイアガール」を含めたこの3曲の独特な世界観が好きです。

 

<二次元アイドルについて>

タイプ(属性)、年齢、誕生日、星座、身長、体重、BMI、スリーサイズ、血液型、利き手、出身地、趣味、特技、好きなもの(こと)、声優。これらのプロフィールからキャラクター像として成り立っています。キャラクターはプロデューサーや他のキャラクターと関わることで物語になります。ユニットを組んでキャラクター同士が深く関わったり、歌を歌うこと(ライブ)でキャラクターの個性、プロフィールでの情報を超えた「らしさ」が醸成されていきます。当然実体がないので、徐々に色々な情報が明らかになって形が浮かび上がっていくイメージです。アイドルと共に歩んだ「たしかな足跡」が線になり、結びついて面になります。しかしその面はアイドルが持つ一面に過ぎず終わりがありません。

 

<タイプ(属性)について>

3つに分かれます。それぞれ赤、青、黄でシンデレラガールズだとそれぞれキュート、クール、パッション。アイドルの属性分けに関しての考察が面白い。そこからヴィジュアル、ダンス、ボーカル値がそれぞれアイドルにあります。ステータス特化とアイドルの傾向を見るとこれまた面白い。

 

<プロデューサーについて>

アイドルをプロデュースする人。プレイヤーの分身にも当たる人。営業したりイベントの段取りをとったり色々。個性豊かなアイドル達とトップアイドルを目指します。個性豊かと一言で言っても様々な子がいます。年齢、悩み(コンプレックス)、アイドルに対する考え、なりたい姿と現在の姿、育ってきた背景などそれぞれ違います。プロデューサー(以降P)はそんな彼女たちと共に考えながら、時にはアドバイスをしながらアイドル活動をしていきます。アイドルは仕事なので、自分たちが楽しい気持ちになるだけじゃダメだけど自分たちが楽しまないといけない。難しいですね。

 

自分を表現するにあたって目指す姿はそれぞれありますが、結局のところ自分は自分でしかないので何かをするのが上手でなくても、それも彼女の「らしさ」、それも魅力の一つとして引き出すこと。これがプロデュースだと私は思います。

 

<声優について>

二次元のアイドルについて語る上で欠かせない存在ですね。声が個性の方向性を大きく決めていきます。強くて弱い、弱くて強いヒトの形をしたアイドルに魂を入れてくれます。声優がテレビ、ラジオ、舞台、アニメなど多方面に出演するので他の作品を知るきっかけになっていますね。2.5次元ミュージカルなんて言葉もあります。くどくど言いましたが、ここで大事なのはライブですよ!ライブ!

 

○○役の××(声優名)として舞台でライブをします。ライブを行うまでに情報を発信したりレッスンをしたりと舞台に上がる声優自体がアイドルに近いという面もあります。演技が上手い、表現力があるという話ではなく、キャラクターとして声を入れたりメンバーとレッスンを行う、舞台からは観客にどう見えているか、ライブではこのキャラクターは何を思うだろうという、見せ方見られ方を意識して考える「過程」を経ることで本番にはキャラクターに「成っていく」ことができるのだと私は思います。

なんだかわかるようなわからないような気がする話ですが続きます。

 

観客は客席から声優を見ています。ただ見ているだけでなく声優を通してキャラクターを見ています。でも声優はキャラクターの半身でありながら、最も近くて最も遠い存在なんじゃないかと思います。背中合わせをイメージしてください。観客がキャラクターを感じながらこちらを見ている。「過程」を経て近くで熱を、存在を感じることができて、いざ振り返るとそこにはいない。物理的に同一になることはできないし当たり前ながらイコールにはならないですよね。

 

だからこそ二次元アイドルは人間にとって未完成にして完成形。空っぽだからこそ、その分想いが詰められると私は思います。実体のない器に魂を入れようとすること、そして入れられた魂に心を動かされること。形のないものに価値を感じることができることこそ、人間「らしさ」があって良いと私は思います。

 

 

<リリース記念ライブについて>

新曲購入時に入っているシリアルで応募して抽選で参加できるイベント。参加者は熱心な初回購入者なのである程度聴き込んでいると思います。それでも舞台で歌っているのを見るのは初めてなわけで、演者も舞台から生の反応を見るのは初めてなわけで。お互い未知との遭遇みたいで私は好きです。それにリリイベは観客の一体感とは違った楽しみがあると思うんです。新曲以外にも知った曲もやってPはもちろん盛り上がるんだけど、新曲披露となるとコールも決まってないからスッと、ただただ見入る時間になる。その時間が思い出になったりするんですよね。

 

昨年9月にあったMEG@TONVOICEでのこと。私は一階前列4列目くらいに居たんだけど、前列2列目の人が初披露になる周防桃子が歌う「ローリング△さんかく」の「コロコロ転がる三角形」の所をオレンジのペンライト三本で三角作っているのをみたらさ、温かい気持ちになりました。リリイベに限らず生ライブだと歌って踊ってアドリブあって照明キラキラで音圧ガンガンあって、文字通り胸に響いて心臓バクバクの大忙しで現地じゃないとわからないことがあっていいですね。私はライブ映像をじっくり観る方が性に合っています。

 

<二次元アイドル、アイドルマスターの楽しみ方>

ココを意識したらもっと面白く、楽しくなるぞってことをまとめたいと思います。あくまで個人の意見です。ずばり①認識②熟成③昇華のサイクルを回すことです。順に説明していきます。

 

①あるキャラクターが他のキャラクターやPとどう関わっていたのか。事実を知識としてまず知っておく

②出来事(イベント)があるキャラに起こった時にその出来事を他のキャラならどう捉えて反応するかを考える

③今までのことを踏まえて新ユニット、物語等これからの展開を考える。意識していなくても近いことを考えているPは多いと思います。言ってしまえば絵なので単純に可愛いとかだけだと長くは楽しめないんじゃないかと思います。P歴が長い人はキャラクターについて考え抜いて自分の世界、言葉を持っている人が多いので考察とか想いを聞くと面白いです。同じ出来事を知っていても見方が違うことがあって異世界転生した気持ちになれます。

 

ここまで長々と話してきましたが二次元アイドルの魅力は大まかに3つあると思います。それは「メタ視点」「らしさの追求」「多様性の面白さ」です。あとは運営が作品に愛を持っているか。面白がれるか、楽しめるかどうかはここにかかっていると思います。順番に読んでくれた人はなんとなく言いたいことは伝わっていると思います。

 

 

アイマスはアイドルという記号の集まりに物語がついたジグソーパズルをアイドルマスターという名の世界の額縁にPが思い思いの所に置くコンテンツです。設定やエピソードはありますが解釈はそれぞれあって正解はなく、「可能性」に満ち溢れています。「笑顔と涙は夢になるエンタテイメント」です。アイドルは問題に直面しても前向きで頑張る姿は思わず応援したくなってしまいます。

 

ミリオンライブ!は、はちゃめちゃな世界観で事務所が始めはテントから、最後には宇宙にできます。そんなミリオンメンバーがいるアイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ(通称ミリシタ)というアプリがオススメです。ミリオンライブ!から2人のメンバーが加入しました。劇場での日々、そこまで難しくないリズムゲーム、歌で織りなしPとの絆を紡ぐゲームです。エイプリルフールも相当ぶっこんできましたね。

 

<これからのアイドルマスター

大層なタイトルで恐縮ですが書いていきます。アイマスはアーケードから約13年続いているコンテンツです。昔の作品から今の作品をみるとグラフィックや動きの進化に驚くと思います。ミリシタにも13人ライブの実装予告がきました。楽しみです。

 

私はSF作品が好きです。「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」ではベットに置いてある機械から電波を流すことで人の気分を変えるシーンがあります。これは今なら音楽を聴いたんだと考えますよね。ウォークマンの登場は1979年です。過去においては非常識なもの、存在しないものでも現在考えてみるとありふれたものになっていることがあります。

 

戻ってアイマスの話。見た目はグラフィックや動きはもちろん目や表情がぎこちないものから人に寄ってきていると思います。二次元なので判断や意思表示が状況に応じて出来ないです。今のところは。ここまで言えばこれから何を言おうとしているのかわかりますね?

モバマスの謎技術と噂になった、ユーザーが特に選択したわけでもないのに各々好みの子からプレゼントをもらったこと。ミリシタの仕事でのアイドルとのコミュニケーション、ユーザーがどの選択肢を選んだかの割合が出ますよね。デレステでのユーザー総選挙の傾向にCD売上。アイドルが今までのユーザーの嗜好データからそれぞれにあった対応が出来るなんてことになったら?

 

今まではキャラクターと物語があってユーザーはそれを見て解釈しながら楽しんでいました。相互のやりとりではないので、受け手の「感覚」に依るところが大きいです。明確な答えがあるわけではないので考える余地があり、これはこれで面白いです。膨大なデータが必要だと思いますが、アイドルが判断基準になるような疑似的なココロを「技術的」に創ることが出来ないのかなーなんて考えたりしました。

 

アイドルが出てきた頃に二次元アイドルが出てくることが考えられなかったように、声優がキャラクターに声を入れていた時代があったらしい、なんて言われる未来が来るかも知れませんね。これもまた「可能性」の話です。

 

あと何年続くかわかりませんがアイドルマスターというコンテンツの終わりを見てみたい。繰り返し言ってきましたがアイマスは「過程」が大切です。そんなアイマスが終わりを迎える時、どんな景色を見ることになるのか楽しみです。これからも一ファンとしてアイドルマスターを追うことになるでしょう。生活に支障がなく、他人に迷惑がかからない範囲で楽しんでいきたいですね。

朝がまだ遠くて夜がまだ長い時間に考えて書いたので余計なこと言ってしまった気がしますが(伝わる人には伝わる)ここまで読んでくれた方、本当にサンキュー!ありがとうございました!!

 

二次元アイドルはプロデューサーの夢を見るか?